ビデオカラーマッチ (VideoColorMatch)
概要 (What is it?)
VideoColorMatch ノードは、高度なカラーマッチングアルゴリズムを使用して、参照画像(リファレンス)の色彩・色調特性を動画へと転送(カラーグレーディング)します。デフォルトでは高速な HALD CLUT(カラー・ルックアップテーブル)方式を採用しており、色変換を 1 パスで動画全体に適用するため、従来のフレームごとの個別処理に比べて 10〜50 倍高速 に動作します。映画のワンシーンやポスター、写真のカラーパレットを動画に移植し、統一感のあるシネマティックなトーンを作り出すことができます。
使用する場面 (When would I use it?)
以下のような場面でこのノードを使用します:
- 参照画像のカラーパレットに基づいて動画のカラーグレーディングを行いたい場合
- 複数のビデオクリップ間で色調を統一し、編集のつながりを自然にしたい場合
- 映画のスチル写真やポスターを参考に、シネマティックなルックを動画に与えたい場合
- 特定の世界観やムード、トーン&マナーに動画を合わせたい場合
- 現代のクリアな映像に、古い写真のようなビンテージ調やレトロな色彩を移植したい場合
- 写真の持つ独自の階調や空気感を動画に再現したい場合
使い方 (How to use it)
基本セットアップ
- ワークフローに VideoColorMatch ノードを追加します
- 目的のカラーパレットを持つ参照画像を "reference_image" に接続します
- 色を変更したい動画を "target_video" に接続します
- カラー転送アルゴリズム(transfer_algorithm)と処理方式(transfer_method)を選択します
- 強度(strength)パラメータを調整します
- ワークフローを実行してカラー転送を適用します
パラメータ一覧 (Parameters)
入力 (Inputs)
- reference_image: 転送するカラーパレットを提供する参照画像(ImageArtifact および ImageUrlArtifact をサポート)
- target_video: カラー転送を適用する対象のビデオ(VideoArtifact および VideoUrlArtifact をサポート)
カラーマッチ設定 (Color Match Settings)
-
transfer_method: 処理方式の選択
- ffmpeg-haldclut: 高速な HALD CLUT 方式(10〜50倍高速、デフォルト)。CLUT 画像に対して 1 回だけカラーマッチングを行い、FFmpeg で動画全体に一括適用
- frame-by-frame: フレームごとの個別処理(低速・メモリ消費大)。全フレームを分解して個別に処理
-
transfer_algorithm: 使用するカラー転送アルゴリズム
- mkl: Monge-Kantorovich Linearization(高速・良好な品質、デフォルト)
- hm: Histogram Matching(ヒストグラムマッチング。劇的な変化)
- reinhard: Reinhard らの統計的カラー転送(輝度構造を維持し自然な仕上がり)
- mvgd: 多変量正規分布(繊細な色関係を捉える)
- hm-mvgd-hm: 複合方式(低速・最高品質)
- hm-mkl-hm: 代替複合方式(低速・最高品質)
-
strength: カラー転送の適用強度(0.0〜10.0、デフォルト: 1.0)
- 0.0: 変化なし(元の動画の色)
- 1.0: 100% 完全なカラー転送(デフォルト)
- 1.0 超: 効果を強調・誇張
出力 (Outputs)
- output: カラーマッチングされた動画(VideoUrlArtifact)
出力動画は元のフォーマット、解像度、アスペクト比、フレームレート、およびオーディオトラック(AAC 192kbps)を完全に維持します。
使用例 (Example)
基本的なシネマ風カラーグレーディング
映画ポスターのカラーパレットを動画に適用する例: 1. VideoColorMatch ノードを追加します 1. 映画ポスター画像を "reference_image" に接続します 1. 動画を "target_video" に接続します 1. transfer_algorithm はデフォルトの "mkl" のままとします 1. "strength" を 1.0 に設定して実行します
控えめなビンテージ調演出
- 古いビンテージ写真を "reference_image" に接続
- 自然な明暗を保つため transfer_algorithm に "reinhard" を選択
- 控えめで自然な色合いにするため strength を 0.7 に設定して実行
重要な注意点 (Important Notes)
- 処理速度:
ffmpeg-haldclut(デフォルト)を使用すると、10 秒の 1080p 動画ならわずか数秒で処理が完了します。特別な理由がない限りこの方式を強く推奨します - 元のプロパティ保持: 解像度、フレームレート、尺、音声はすべて維持されます
- 強度調整の目安:
- 0.3〜0.5: ごくわずかな補正、空気感の微調整
- 0.6〜0.8: 自然で上品なカラーグレーディング
- 0.9〜1.1: しっかりとした劇的なカラースタイル転送
- 1.2以上: アーティスティックで強調された表現
関連ノード (Related Nodes)
- Color Match (画像カテゴリ): 単一静止画用のカラー転送
- Adjust Video EQ (ビデオカテゴリ): 明るさ/コントラスト/彩度の手動調整
- Add Color Curves (ビデオカテゴリ): プリセットカーブによるカラーグレーディング